考える葦

日々の記録。

「ガケ書房の頃」

11月6日(日)

シマウマ書房にて鈴木さんを聞き役に、

ホホホ座 山下賢二さんのトーク。

山下さんを知らない人へ、山下さんの簡単な紹介を。

京都市左京区ガケ書房という本屋をオープン。ガケ書房は独特な品揃えや店内音楽ライブなどを行う本屋として多くの人に愛されたが、惜しまれながらも閉店。その後、ガケ書房を移転、改名しホホホ座をオープンさせ現在に至る。

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左が鈴木さん。右が山下さん。

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【写真提供】飯村くん

 本に埋め尽くされた空間でトークを聞く贅沢さといったらない。

トークの内容は山下さんの著書「ガケ書房の頃」より

山下さんの幼少の頃やガケ書房を始める前の仕事の話などを振り返り、本屋という場所のあり方や本屋を続けることについて。

 

どんどん町の本屋が潰れていく現状。

若い人はいい、楽しめる場所はたくさんあるから、でもそうじゃない人は?

そうじゃない人はどこに行ったらいいんだろう。自分たちが歳を取ったときに立ち寄れる場所があるか、という言葉が印象に残った。

なにもなくても気兼ねなく立ち寄れる場所。

立ち寄って新しい出会いがある場所。

本を読むだけなら図書館でもいいかもしれない、だけど本を買って読むということや、その場所の記憶だったり、独特の雰囲気はその本屋にしか出せないものだ。

きっと本屋がなくなって本屋という場所のありがたさに気づくんだろう。

 

著書にもあった本屋を続けるということについての一文

「店は、始めることよりも続けることの方が圧倒的に難しい」

 この言葉の重さは計り知れないけど

辞められたらどれだけ楽になるかと語る山下さんの葛藤がまさに物語る。辞めると決めた後のそれでもなんとか続けようとした一年は、山下さんにとっては辛く厳しい一年だったかもしれない。

結果としては閉店する形になってしまったのだけど、必要な一年だったというのも納得。

 

山下さんは本屋になりたくてなったというより、どの仕事もうまく続かなくて本屋がたまたま続いているから本屋という職業になったということを言っていたのも印象的で、そうやって言えることがあることが単純に羨ましかった。

 

ここまでつらつらと偉そうに語ったけど、恥ずかしながら、私はガケ書房に行ったこともなくて、ましてやガケ書房の存在も山下さんのことも、鈴木さんから面白い人がいるんだよ、と教えてもらうまで知らなかった。

「へえ、なんか面白そう」でスタッフを引き受けたに至るのだけど、山下さんの妙に人を惹きつける魅力はこの会場にいた人皆が感じていたと思う。

トーク終了後、私も本を買い、ちゃっかり、サインもしてもらった。

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「ユーモアとセクシイに生きろ」というありがたいお言葉を頂いたので格言にする。

 

ガケ書房の頃」は帰って一気に読んだけど、むちゃくちゃ面白かった。これほんとに?フィクションじゃなくて?なくらい波瀾万丈でひとりの人生なのに人の倍、人生を生きているかのような、濃密な時間を過ごされてきたんだなと。

 ガケ書房の本の売り方は独特で

本をただ売るのではなく、お客さんに本を手に取ってもらえるようにあらゆる方法でアプローチする本の販売実験も面白かった。なんでもやってみるという精神はすごい。 

  笑ってしまったり、ハッとする文章あったり、共感したり、飾らない山下さんの文章に勇気づけられる。

 

トークを聞いて、改めて本を読んで感じたこととしては、人生に無駄なことなんてないのかもしれないということ。

その時、その時を一生懸命に生きてきた山下さんの人生は面白いくらい今の活動に繋がるように上手くできている。皆が皆そうじゃないかもしれないけど、絶対にどこかで繋がってくる所があるのではないかと。

 

最後の章より

「僕は本屋は勝者のための空間ではなく、敗者のための空間なんじゃないかと思っている。誰でも敗者になったときは、町の本屋へ駆け込んだらいい。」

最高、最高!