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考える葦

日々の記録。

最近のこと。

12月9日(金)
急遽誘ってもらってダイヤモンドホールへceroのライブに行く。私が聴きたいと思っていた曲はすでに過去の曲になっていたのが切ない。最近のceroを全く聴いてなかったので半分ついていけず、アップデートしそびれた感が否めない。ceroのステージは眩しかった。

MCで興味深かったこと。SNSで皆がいろいろ書いちゃうからMCでほんとに面白いこと何にも言えないって言ってた。時代だな〜。楽しさを共有できるのはSNSの良いところでもあるけど、共有することがその場だけで完結できなくなっている現状。どうなの?


12月14日(水)
FNS歌謡祭 2夜目を見た。
そもそもFNSを見ることになったのがSHINeeという韓国のアイドルグループが出演するからで、妹はSHINeeの超オタクなのでリアルタイムで久しぶりにTVを見る。(普段はほぼ録画したものを見る)

FNSといえばホテルで盛大にアーティストがアーティストを見る姿を視聴者が見られるのが醍醐味だったはず。しかしなぜか今年は2夜に分けられ、2夜目はスタジオからの放送。もちろんアーティストがアーティスト見るのもなし。FNS感がないなーとかずっとぼやく。

FNSを見ていてると日本の音楽業界の縮図がよく分かる。EXILE一族とAKBグループのアイドルとジャニーズで成り立っていることがひしひしと伝わるラインナップにたまにKREVAと三浦大和とかすごいのがきて上がる。山下達郎の名曲「クリスマスイブ」をコラボしてた。良い。

あと星野源
前日にすれ違った女子高生たちが「明日は源さん見ないと!」と言い合っていたのが衝撃的で時代は変わったんだとそこで悟る。星野源が好きだったけど好きじゃなくなったみたいな流れはもうやめにする。いいものはいいし、いいものを作り続けてきて、このタイミングでやっと正当に評価されたんだからこんなに喜ばしいことはない。歌もダンスも演技もできて、文才もある。それでいて親しみのあるキャラクター。モテない訳がないし売れない訳がない。私は星野源の才能や変態でばかばかしい所が好きだったんだと思い出した。

FNSで1曲目に歌った「くせのうた」も朝の電車で聞いてどれほど癒されたことか。星野源は朝がいい。

肝心のSHINeeは「Everybody」という間違いない曲をもってきた辺りが彼らは勝負しにきてる。なぜか妹が緊張していて、ここまでのめり込めるアイドルがいるというのはある意味すごい。妹曰く衣装、メイク、曲選びまでこの日は完璧に揃った無敵のSHINeeだったそうな。
この曲のダンスの振りは奇天烈でダンスが上手くない人がやったら完全にダサいやつなんだけどキレキレのダンスで地面から起き上がる入りから曲終わりの倒れるまでの完璧なパフォーマンスお見事。

イ・ランと柴田聡子のランナウェイツアー


11月22日(火)
仕事終わり急いで会場のKDハポンへ向かう。

ハポンで観るライブ久しぶりすぎて(1年ぶりくらい?)会場着いてドリンクチケットもらってお決まりのラムコーク頼んで、そうそう この感じだったと思い出す。今回は二階で観た。

柴田聡子の可愛さが異常。見る度に可愛さが増している。私が男だったら柴田聡子を彼女にしたい第1位。2位は蒼井優。このランキングは不動。彼女の可愛いさの魅力は作る音楽にも現われているけど、無防備さ、飾らなさ、可愛いく見せようとしていないのに可愛さが滲みでてしまっている。ずるい。柴田聡子の可愛いさを肴にお酒飲みながら語り合う会があったら是非とも参加したい。ライブも素晴らしかった。よく通る声とギター一本で歌う飾らない姿とユーモアのある歌詞と多幸感に溢れたメロディラインで もうメロメロになる。改めて柴田聡子というひとりのシンガーソングライターに夢中になる。


ラストは韓国からイ・ラン
黒髪の短いショートカットに切れ長の目、赤い口紅、赤のトップスがよく似合ってた。
「ヘル朝鮮から来ましたイ・ランです」ってお決まりの挨拶みたいに言うの悲しい。(ヘル朝鮮とは韓国の社会の現状をイ・ランが表したもの)

MCはほとんど日本語で喋っていて、韓国人特有の濁音苦手な話し方が可愛いらしい。

曲が終わって次の曲に入る前にイ・ランが「ドラム叩ける人〜」って客席に聞いたら明らかに酔っている男性が手を挙げていて、イ・ランが「あなたはダメ」と他にいないかと周りを見渡してたら酔った男性が「なんでだめなんだよ!」とキレる。「酔っぱらってるからダメ」とイ・ランも負けずに返す。「ここで提供されている酒を飲んで、音楽を楽しみに来てるのになんでだめなんだよ!」(確かこんなニュアンスの事を言っていた気がする)会場にただならぬ空気が流れ始める。その後、男性は関係者により外に出されたのだが、イ・ランがなぜあの男性をそこまで拒否したのか疑問に感じていたら、イ・ランがその理由を「あの男性の前を通りがかった時に耳に息を吹きかけられた」と話していて納得した。
正々堂々と正しい事を言って正しい行動をしたイ・ラン強くてかっこよかった。

「ここもヘル日本か?」とイ・ランに言わせてしまった。しかし、日本も大概ヘルな部分もある。どうかこの後のツアーでヘル日本な部分が見えませんようにと願わずにはいられない。

いろいろあったけど、イ・ランのキレキレの歌詞と音楽とパワフルな歌声に魅せらる今宵。なんて最高なんだー。音楽ってすごい、国も言語も関係なくみんなが同じ気持ちを共有できている。あの場にいられて良かった。イ・ランの才能を全身で受け止めることができて幸せな時間だった。

이랑 - 신의 놀이 / Lang Lee - Playing God (Official Video) - YouTube

イ・ランが自分の国を「ヘル朝鮮」と呼ばざるを得ない理由を赤裸々に語ったインタビュー記事も載せておく。http://buff.ly/2cSxnk4
パク・クネ問題以前からイ・ランはヘル朝鮮だと言い続けていて、韓国は良い部分も残して生まれ変わらなければならない時なんだろうな。

最近のこと。

11月9日(水)
アメリカ大統領選の開票日。日本時間では昼時に開票されたので職場の休憩室のテレビで見ていた。私はどちら派という訳でもないけど、アメリカの代表が誰になるかという全世界の人が関心を寄せている出来事に見ない訳はない。これまでの両者の選挙戦を見ていても、やっぱり日本と違ってスケールが大きいので面白い。お互いの悪口合戦みたいなことをテレビで討論する姿もいろんな意味で新鮮だった。後半のスキャンダル連発の泥仕合っぷりも見ものであった。

見ていた選挙特番はアメリカの各州の地図が画面に表示され、どちらかの候補が確定した州はどちらかの色が塗られていくシステムなのだろうけど、ほぼトランプ色で埋まっていた。直前までの情報ではヒラリー優勢と報道していただけに、やっぱりテレビの情報はあてにならないと思ったし、決まりきっていたことが簡単にひっくり返ってしまった驚きが今回の大統領選にはあった。


11月13日(日)
祖父母の家で秋の実りの収穫祭。

私がさつまいもを掘りたいと言ったら、祖母は私たちのために何年ぶりかのハンバーグを前夜から仕込み、祖父は仕事を引退してからはじめたゲートボールの教室を休んでくれていたらしい。自分の楽しみを投げ打ってまで会いたい人って私にはまだいない気がする。孫は目に入れても痛くないというけど、ほんとうにそんな存在なのだろうか。そんなにしてもらうほど私は祖父母のことを大事に思えていない気がして。素直に受け止めて、もっと祖父母と会う時間を増やせばいいんだろうけど。


夜はNHK宮崎駿のドキュメンタリーを後半の終わり間際から観た。まさにドキュメンタリーな映像で、これをきちんと放送したNHKドワンゴ関係者の懐の深さすごい。

ドワンゴが新しく開発中の人工知能のCG映像を見た時の宮崎駿の静かな怒りが怖かった。明らかに気持ちの悪い動きをする人工知能を見て身体障害のある友人を思い出しきわめて不愉快だと。ドワンゴ会長の引きつった顔たらない。人はあんな状況になるとあんな顔をするのだな。しかし、これまでのジブリ作品を観てきていたら宮崎駿がいかに自然や死を大切なテーマとして扱ってきたことに気づかないのは愚か。

「君らどこにいきたいの?」
ほんとにその言葉に尽きる。


11月14日(月)
職場の上司、同僚とご飯会。
しかも、うなぎ!あつた蓬莱軒の!本店で!
週の始まりの月曜だけど、私にはうなぎが待っているという勝ち誇った気持ちで清々しい朝を感じていた。仕事もいつもより心なしか捗る。

仕事が終わり、あつた蓬莱軒本店へ。

皆、うなぎが来た途端、終始無言で食べることに集中していた。もちろん私も。白ワインも空けて、かなり良い気分になった。ほんとうに美味しいものを食べたときに人は心を満たすのだ。もっともっと食で心を満たしていきたい。

「ガケ書房の頃」

11月6日(日)

シマウマ書房にて鈴木さんを聞き役に、

ホホホ座 山下賢二さんのトーク。

山下さんを知らない人へ、山下さんの簡単な紹介を。

京都市左京区ガケ書房という本屋をオープン。ガケ書房は独特な品揃えや店内音楽ライブなどを行う本屋として多くの人に愛されたが、惜しまれながらも閉店。その後、ガケ書房を移転、改名しホホホ座をオープンさせ現在に至る。

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左が鈴木さん。右が山下さん。

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【写真提供】飯村くん

 本に埋め尽くされた空間でトークを聞く贅沢さといったらない。

トークの内容は山下さんの著書「ガケ書房の頃」より

山下さんの幼少の頃やガケ書房を始める前の仕事の話などを振り返り、本屋という場所のあり方や本屋を続けることについて。

 

どんどん町の本屋が潰れていく現状。

若い人はいい、楽しめる場所はたくさんあるから、でもそうじゃない人は?

そうじゃない人はどこに行ったらいいんだろう。自分たちが歳を取ったときに立ち寄れる場所があるか、という言葉が印象に残った。

なにもなくても気兼ねなく立ち寄れる場所。

立ち寄って新しい出会いがある場所。

本を読むだけなら図書館でもいいかもしれない、だけど本を買って読むということや、その場所の記憶だったり、独特の雰囲気はその本屋にしか出せないものだ。

きっと本屋がなくなって本屋という場所のありがたさに気づくんだろう。

 

著書にもあった本屋を続けるということについての一文

「店は、始めることよりも続けることの方が圧倒的に難しい」

 この言葉の重さは計り知れないけど

辞められたらどれだけ楽になるかと語る山下さんの葛藤がまさに物語る。辞めると決めた後のそれでもなんとか続けようとした一年は、山下さんにとっては辛く厳しい一年だったかもしれない。

結果としては閉店する形になってしまったのだけど、必要な一年だったというのも納得。

 

山下さんは本屋になりたくてなったというより、どの仕事もうまく続かなくて本屋がたまたま続いているから本屋という職業になったということを言っていたのも印象的で、そうやって言えることがあることが単純に羨ましかった。

 

ここまでつらつらと偉そうに語ったけど、恥ずかしながら、私はガケ書房に行ったこともなくて、ましてやガケ書房の存在も山下さんのことも、鈴木さんから面白い人がいるんだよ、と教えてもらうまで知らなかった。

「へえ、なんか面白そう」でスタッフを引き受けたに至るのだけど、山下さんの妙に人を惹きつける魅力はこの会場にいた人皆が感じていたと思う。

トーク終了後、私も本を買い、ちゃっかり、サインもしてもらった。

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「ユーモアとセクシイに生きろ」というありがたいお言葉を頂いたので格言にする。

 

ガケ書房の頃」は帰って一気に読んだけど、むちゃくちゃ面白かった。これほんとに?フィクションじゃなくて?なくらい波瀾万丈でひとりの人生なのに人の倍、人生を生きているかのような、濃密な時間を過ごされてきたんだなと。

 ガケ書房の本の売り方は独特で

本をただ売るのではなく、お客さんに本を手に取ってもらえるようにあらゆる方法でアプローチする本の販売実験も面白かった。なんでもやってみるという精神はすごい。 

  笑ってしまったり、ハッとする文章あったり、共感したり、飾らない山下さんの文章に勇気づけられる。

 

トークを聞いて、改めて本を読んで感じたこととしては、人生に無駄なことなんてないのかもしれないということ。

その時、その時を一生懸命に生きてきた山下さんの人生は面白いくらい今の活動に繋がるように上手くできている。皆が皆そうじゃないかもしれないけど、絶対にどこかで繋がってくる所があるのではないかと。

 

最後の章より

「僕は本屋は勝者のための空間ではなく、敗者のための空間なんじゃないかと思っている。誰でも敗者になったときは、町の本屋へ駆け込んだらいい。」

最高、最高!

ブックマークナゴヤ 古本市

11月5日(土)

今年もボランティアスタッフとしてブックマークナゴヤの古本市に参加。久しぶりに会う人たちと再会を喜び合う。天気も良く、まさに古本市日和。

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開始早々素敵なことがあった。

たまに商店街の中に車が入ってくるので、その車の誘導をするのもこの日の役割で、車の運転手はフランスの紳士のような方だった。困った様子で車を進められずにいたので誘導してあげて、その場は別れたのだが、古本市のお客さんとしてばったり、また会った。「さっきはありがとう」とカタコトの日本語で私に話し掛けてくれた。

そのあとの行動がさすがフランスの紳士。紳士が持っていたライカのカメラで記念に一枚と写真を撮ってくれた。普段だったら写真嫌いだから断っていたけど、気分よく撮ってもらうゲンキンな私。

 

そろそろお昼の時間だな、何食べようかな、とか考えてたら、たまたま お昼の買い出し中だったシマウマ書房の鈴木さんが天むすをくれた。周りにいたボランティアスタッフの子たちと分けて食べた。美味しかった〜

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古本市も終わり、それぞれ搬出作業を始める。

松本からひとりで来たという方の搬出作業を手伝う。その方はこれまでも各地の古本市に参加してきたそうで、ここのスタッフの対応が一番素晴らしいとお褒めの言葉を下さった。もうそれだけで嬉しいし、今日の疲れが吹っ飛んだ。これは私の勝手な持論だけど本好きに悪い人はいない。一年に一度本好きが集まるこの空間が私は好きだ。

 残れる人たちだけで打ち上げに向かう。

流れで元ガケ書房店主、現 ホホホ座の山下賢二さんとシマウマ書房の鈴木さんと陽気で楽しい上原さんとテーブルをご一緒することになった。

初めは老眼の話題が上がり、ここにいて話しについていけるかと思ったのだけど、全くのいらぬ心配で、人生の先輩たちから聞く刺激的な話しの数々はかなり面白かった。  

鈴木さんの過去にされていた仕事の裏事情に興味深々になり、上原さんは「遠慮せんと食べな」と何度も気を使ってくれた。優しい。 そんな中、シラフで奥さまとの馴れ初めを饒舌に話す山下さんは強者。

最近、電車でも本を読んでる人が少なく、スマホをいじっている人が多い、という話をすると山下さんは「草の根運動だよ!本を読むというパフォーマンスをすればいい!」と言う。やはり考える事が違うなあと感心しきり。スマホが一概に悪いという話ではなく、もちろん私もスマホはいじるけど、スマホを一心不乱に見る人たちの目がたまにコワくなるときがある。断然、本を読んでいる人の姿のがクールで美しいという話。

私はいま、勝手に電車の中ではスマホではなく本を読むというパフォーマンス(ちゃんと読んでる)を続けている。

翌日は山下さんのトークイベントのスタッフをすることになっていたので、この日の話しはトークの予習も兼ねてとっても良い時間だった。明日も楽しみな予感を抱きながら、帰路に着いた。

最近のこと。

庭で育てていたラディッシュを収穫した。

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葉が虫に食われてるのは無農薬の証拠。形が不揃いなのもご愛嬌。 あと何よりこの赤色の鮮やかさを見て!こんな色、自然にしか作り出せない。一回失敗してる分、ちゃんと育ってくれたことが嬉しくて溺愛。美味しくいただきました。

 

昼から図書館でゴッホゴーギャンの画集を借りて来年に来たる「ゴッホゴーギャン展」の予習。世はゴッホ派が多数だけど、私は断然ゴーギャン派だ。タヒチブルターニュのようなのんびりした所で絵を描くことを好んだ所も共感。早く本物を観たい。

 

11月3日(木・祝)

豊田市民芸館から豊田市美術館へ。

豊田市民芸館、噂には聞いていたけど

 とても良い施設。

 http://www.mingeikan.toyota.aichi.jp/

近くに行った方は是非。

今回は目当ての芹沢銈介展を観に。芹沢銈介といえば のれんのイメージが強い。見たことあるあるな品から、彼が蒐集していた各地の布やお面なども。それぞれを選び抜く、目利き具合にセンスの良さが伺えた。その蒐集品を模写した肉筆画も展示してあり、あの芹沢銈介も蒐集品を愛でていたのだということにほっこりした。

可愛い 卓上カレンダーを買った。可愛い。

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 民芸といえば民芸運動の父、柳宗悦

柳宗悦の書斎を再現した部屋が素晴らしかった。こだわり抜かれたであろう家具たちに囲まれた気持ちのいい空間。書斎の本棚の本は係の人に頼めば読むことができるとあり、ありがたく読ませてもらう。

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後ろ髪を引かれながら部屋をでて、

豊田市美術館へ向かう。「蜘蛛の糸」企画展。

圧巻の塩田千春の作品。

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超絶技巧の柴田是真、ユーモラスな小泉明朗の映像など蜘蛛の糸に関連した作品が並ぶ。

中でも、加藤翼の映像作品がすごくよかったことを伝えたい。映像の内容は巨大な構築物を公共の場に出現させ、大勢で引っ張り起こすという至ってシンプルな作品。

加藤翼 The Light Houses - YouTube

 公共の場で見ず知らずの人たちが「引っ張る」という体験を共有する所にこの作品の面白さがある。加藤翼がアートでもって人の普遍的な価値感を崩していく様もアートが本来持つ役割を考えさせられた。

 

最後にフォトジェニックな豊田市美術館を。

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あいちトリエンナーレ2016 振り返り

何日かに分けて観たので、記憶も途切れ途切れだけど各会場の気になった作家や作品をまとめておく。(実際に観た順に羅列)

 

@名古屋市美術館

 賴 志盛(ライ・ヅーシャン)《台湾》

「Border_ Lyon」

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ゴミ、散乱、置かれただけ。

ザ現代美術な作品と対峙した時、美術に慣れていない人の多くは「これがアート?」と感じるはず。作品の中を歩くと、自分もその空間の一部となり、見るから見られるへと変わる。 普通に観て楽しむも良し、作品について考えるも良し。現代美術初心者にオススメしたい!

 

ジョヴァンニ・アンセルモ《イタリア》

「星々が1スパン近づくところ」

鉄と金属の彫刻作品。なんかいいな。タイトルもいい。私は作品を観る時によくわからないけどなんかいいな、っていう感覚を観る時にとても大事にしていて。そのよくわからないけどいいと思ったのはなんだろうと後になって作家のことを調べたりすると、ますます興味が深くなる。

ジョバンニ・アンセルモは1960年代後期のアルテ・ポーヴェラ(貧しい芸術)を代表する作家として活躍。私が好きな美術の時代のひとつに戦後美術の1960〜70年代がある。まさにその時代の先端をいっていた人だということに感動を覚えた。もちろん情報を知ってより深く感動するパターンもあるけど、情報を知らずして観てなんかいいなという感覚があったからこそ得られた感動だということは忘れてはならない。

 

@愛知県美術館

映像みて、彫刻みて、インスタレーションみて、ほんと忙しい会場だった。美術作品を観るのは楽しいんだけど、観終わった後どっと疲れが。

 

そんな中でも印象深いの

マーク・マンダース《オランダ》

「サイレント・スタジオ」

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 養生された空間に人や動物の塑像が 転々とする。未完成?かと見紛う。そもそも未完成か未完成じゃないか、は作った本人にしかわからないことだけど、その未完成さに妙に惹かれる。まさに未完の美。

この犬を見てガブリエル・オロスコの横たわる犬に見えてならないのは私だけか。

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 大巻伸嗣《岐阜県

「Echoes-Infinity」

圧倒的な作品としての完成度の高さ、綺麗さ、独創性、時間を経て変化する(花の周りが歩けるようになる)仕掛け、などなど文句なしに良い作品。愛知県美術館の他に長者町豊橋にも作品を出品されていたり、今回のトリエンナーレのメインビジュアルのようなイメージ。

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田附勝《富山県

 「KURAGARI」

野生の鹿を暗がりの中で映した作品の展示方法が面白かった。真っ暗な部屋の中、写真だけに照明が当たっていて暗闇の中でキラリと光る鹿の目と自分の目が合う。実際に映した作家の臨場感や、野生動物の怖さを感じた。奈良の人間慣れした鹿とは比べものにならない。

 

 @栄会場(旧明治屋ビル)

レトロ建築な旧明治屋は今回初の会場だけど当たり会場ではなかったかと。

ソン・サンヒ《韓国》

「ビョンガンソェの歌-2016人間性とは何か」

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韓国人作家となるとどうも贔屓目で見てしまうことお許しあれ。韓国人作家の作品を日本で観る機会が少ない(私調べ)韓国人作家の大きな個展だと2012年の森美術館のイ・ブル、2014年の水戸現代美術のチョ・ヨンドゥくらい?

もっともっと韓国人作家の作品を日本で観たい!

ソン・サンヒは 歴史や社会的なテーマを扱う作家で、興味深いのが彼女は中流階級の何不自由ない家庭で育ったこと。なぜそんな彼女がわざわざこうしたテーマを作品として発表し続けるのか。それはまさに韓国社会が作り出した独特の習慣によるものだとこの作品を観て感じた。

今回は韓国伝統芸能のパンソリに演劇的要素を取り入れた映像作品。次から次へと変わる映像と音、照明が印象的。モニター画面の配置や全体の構造までよく考えられてるなあと。映像の中身もとても興味深く韓国の現代社会の不条理さをアートというユーモアで対抗する。国から何を言われても負けないでほしい。

 

@長者町会場(八木兵錦6号館)

今村文《愛知県》

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愛知の作家なので何度か作品は拝見していたけど、植物モチーフが毎回素晴らしい。この円形のとかすごくいい。古代エジプトのミイラの棺の装飾に使われていた蜜蝋画という技法を使用。ワークショップとかあったら楽しそう。油絵にはない幻想的な雰囲気が魅力的。喫茶クラウンの作品も見たかったけど定休日だった。残念。

長者町は来るたびに知らないお店が増えてる。ガラガラだった駅地下の通りも飲食店が入ったり、街中もギャラリーや洒落たカフェができたりどんどん進化してきていて驚く。トリエンナーレの作品の規模は縮小したけど、それで街が発展したのは素晴らしいことだと思う。初回から使われている会場だし、私にとっても思い出深い場所なのでずっと使われてほしい。

 

豊橋〜岡崎へと向かうので時間管理が肝心だとはりきったくせに時間配分をミスして、岡崎会場は泣く泣く断念した会場あり。消化不良感が半端ない。

まずは豊橋から。

路面電車が普通に道路を走っていてビビる。

 豊橋名物?ヤマサのちくわの入ったおでん定食でお昼。おでん大好き。

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@豊橋会場(開発ビル)

久門剛史《京都府

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日産アートアワード2015受賞者。

日常に潜むささやかな事柄に着目し、誰もがどこかで体験したことのある追体験を光や音などを用いてインスタレーションで再現。

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風が吹いてカーテンが揺れ夕日が映る

 この空間もどこか懐かしいどこかで見た風景。日常って毎日の繰り返しだけどそうした日常から何かを発見したり気づきを得ること、その視点の先を見たようで作品を観た後しばらく鳥肌が立って感動した。今後注目の作家なのは間違いない。

 

 @岡崎会場(名鉄東岡崎ビル)

二藤建人《埼玉県》

 会場のボランティアスタッフの方の説明が丁寧。おそらく引き継ぎがしっかりなされているのだと思うけど、この作品は説明してもらえるとより説得力が増すというか、体験型というか、というか言いすぎというか。アトラクション感覚で自分の身体を使って体験し、作品を感じることができるの新しい。新しくて面白い。

  

 ウダム・チャン・グエン《ベトナム

「機械騎兵隊のワルツ」

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今回のトリエンナーレのハイライト。

個人的にエンディングテーマでもよいかと。

カラフルなビニール、一糸乱れないオートバイに乗った集団、一度観たら忘れられないくらいインパクトが強い。流れていたワルツのテーマ曲もループする。シュールさに潜む闇を見た。